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<ネタバレ>ずいぶん昔にコーエン兄弟版リメイクの『レディ・キラーズ』を観ていたのでだいたいのストーリー展開は把握していましたけど、このオリジナルとは同じブラックコメディでもだいぶ色合いが異なっている感じがします。共通点としては、不気味なメイクの“教授”役のアレック・ギネスが、『レディ・キラーズ』で同じ“教授”だったトム・ハンクスの違う意味での気持ち悪いキャラに繋がっているところでしょうか。そう考えると、“元祖・百面相俳優”アレック・ギネスの面目躍如は見どころで、まるで貧血気味でやせ細ったドラキュラにしか見えないんです。もちろん“悪は最後には滅びる”という結末は一緒ですけど、このオリジナルの方がおばあさんのキャラが意外と真面目で、毒気も割と薄かったのはちょっと残念でした。教授たちが音楽練習と称して籠ったのは二階の部屋で、ここもコーエン版では地下室からトンネルを掘ってゆくという逆位置になっています。中盤の強奪したカネをおばあさんに自宅まで運ばせる展開は中途半端なドタバタで、演出には古さが否めないですね。すっとぼけた演出ではありますが一味は仲たがいが始まって最後は殺し合って全滅するというラストはちょっと凄惨で、いかにも50年代英国映画という風味が濃厚でした。正直なところ、自分には『レディ・キラーズ』の方が好みかな。