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<ネタバレ>私たちの世代には『ソルジャー・ブルー』と言えば残酷西部劇の代名詞みたいなものです。かつて一度だけ地上波で放送されたことがあり観ましたが、予想通りラスト20分はかなりカットされていたのは明白でした。今回DVDで再鑑賞して日本語吹き替えにするとどのシーンがカットされたのかが判ります、なぜかというと吹き替え音声が無く原語になっているからです。たしかにこれは当時でも絶対にお茶の間に流せない凄まじい映像ですね。部落中がナマ首ゴロゴロ状態なんですから、これは公開当時に観なくて正解でした。 キャンディス・バーゲンの若いころではこの映画がいちばん輝いていたと思います。前半のロード・ムーヴィー的なパートでは、いかにも原住民と生活をともにしてきた娘という存在感が良く出ていました。監督は西部劇のベテランであるラルフ・ネルソンですからニューシネマという枠に囚われないしっかりした撮り方だと思います。 この映画が開拓史とベトナム戦争の批判になっているのは明白です。でも、史実ではないのは判りますが、もしホーナス二等兵が密売業者のライフルを焼かなかったら、シャイアン族は騎兵隊に抵抗出来てあそこまで悲惨な目に遭うことはなかったんじゃないかという問題提起も感じられます。これは暗にリベラル派に対する当てこすりの意図があるような気がしますが、いかがでしょうか。