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<ネタバレ>物語自体はベタな任侠もので、それ以上でも以下でもないです。ただ舞台の一つとなる東京のクラブのセットは、白を基調にした清順らしいアヴァンギャルドな異空間となっています。60年代の鈴木清順の作品はモノクロというイメージが強いんですが、カラー作品を撮れば彼の天才的な色彩感覚に魅了されてしまいます、でも彼のカラー映画は勢いが失われてきた晩年に撮られたものが多いのが残念。佐世保のクラブは造りからして西部劇のサルーンそのもの、大乱闘もウェスタンお約束のパロディです。だけど映画自体は思ったよりはるかにまともで、『殺しの烙印』みたいなハチャメチャさは影を潜めています。まあ若き日の渡哲也はいかにも不器用そうな感じで、宍戸錠のようなはっちゃけを期待するのが無理ってもんでしょう。そういう観点からは、私には期待外れの一編でした。 余談ですがヘアドライヤーのメーカーとタイアップしていたみたいで、二か所不自然にドライヤーに言及するセリフやシーンがあります。松原智恵子が楽屋でセットしているシーンでは壁に貼ってあるそのドライヤーのポスターが大写しされますし、ほとんど五分刈りの渡哲也がドライヤーを髪にあてていたのには、そのわざとらしさに爆笑してしまいました。この映画で唯一の笑えるところでした。[良:1票]