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<ネタバレ>昭和ガメラと言えばギャオス、実は大映特撮怪獣映画が産んだ最高のスターだったりして。その後のガメラシリーズでもカメオ出演して大根切りされたり平成ガメラでは一段と凶悪なキャラとして再登場果たしたり、やはりギャオスの存在感は大きいんです。とにかくあの幾何学的なスタイルがカッコ良いんですよね。人間を喰ったり血を吸うのが大好きで太陽光線を浴びると死んじゃうとか、怪獣というよりヴァンパイアみたいな奴です。 前作に続いてガメラは、またもや怪獣退治のためにどこからともなく登場するまるでフーテンの寅みたいな存在です。大映特撮の特徴としては怪獣が傷を負うシーンがやたらと多いことですが、本作のガメラとギャオスの対決はもう流血デスマッチ状態、怪獣スプラッターと呼ぶに相応しいですね。両者とも血の色が赤くないのでインパクトは多少減じましたが、これがふつうに赤かったらさぞや壮絶な画面となったことでしょう。自分の足を超音波メスでぶった切ってガメラから逃げるところなんて、観ていてもう痛すぎです。そして未だに強烈に記憶が残っているのが走る車を超音波メスで縦切りしちゃうシーンで、なんでこんな画を撮ったのか監督のセンスは理解不能です、でもこれは日本怪獣映画史の中でもトップクラスのびっくり映像であることは間違いないです。 欲ボケ人間のドラマが本編パートのサブストーリーというのは前作バルゴン戦を踏襲していていかにも大映らしいかなと思います。でもお上(道路公団)が善で地元住民が悪という露骨に体制的なプロットは、東宝特撮では到底考えられなくこれまた大映らしいところです。 さて本作からモンスターがなぜか子供の味方という他国の同種映画では考えられないプロットが本格化したわけですが、リアルタイムでガメラを観ていた子供の自分でもガメラ・シリーズは本作が耐性の限度でしたね。これ以降のガメラ・シリーズは子供の眼で観てもバカバカしいものでした。[良:1票]