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<ネタバレ>スピルバーグが『プライベート・ライアン』を撮った勢いで製作した一大戦争叙事詩。戦争映画になるとスピルバーグは凝りまくるのですが、本作でも軍服や兵器の考証へのこだわりは感嘆すべきものがあります。この物語はウィンターズという人物の軍隊での出世物語でもあり、わずか3年あまりで少尉から少佐まで昇進するなんて、滑稽なほど硬直的だった旧日本軍では絶対に考えられないことです。田舎者みたいで朴訥な人柄は、いかにもボンボン育ちの同僚ニクソン大尉とは対照的です。登場人物が70人以上にもなる群像劇で、一話限りで戦死したりフェード・アウトするのも多いので名前を覚えるのも大変ですが、その中でも印象に残るキャラはと言うと… ●将校部門は文句なしに不死身のスピアーズ大尉です。Dデイのときは勝手に捕虜を射殺したなんて噂を立てられまるでサイコ野郎みたいにみんなに思われていたのが、卓越した戦闘能力と統率力で物語の中でも存在感が増してゆき、バルジの戦いで見せた超人的な活躍はまさに圧巻でした。 番外:ソベル大尉 全員から蛇蠍のごとく嫌われて後方部門に左遷されちゃったユダヤ人将校。早々とフェード・アウトしたかと思いきや、最終回で階級も追い抜かれたウィンターズ少佐にいびられるとは… 確かに嫌な性格ではありますが、実話がベースなのでモデルになった実在の人物がいたはずで、関係者からクレームがつけられたんじゃないかと心配しちゃいました。●下士官・兵部門からはリプトン軍曹。老け顔の地味な性格ですが兵士たちの良き兄貴分として信頼され、最後は将校にまで出世したのはさすがです。職場でこういう部下がいてくれたら、ほんと鬼に金棒なんですけどね。[良:1票]