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<ネタバレ>スコセッシという監督は、詩情やロマンのかけらもないマフィア映画を撮る人だなとつくづく感じました。米国では1960年代までマフィアの存在すら公的に認知されていなかったことを考えると、初期のマフィア映画は正面きって組織犯罪をテーマにすることに躊躇があって組織の疑似家族的な側面を強調して描くことが多かったと思います。これはちょっと意味合いが違いますが、日本の任侠映画に通じるところがあるでしょう。ブルックリンのチンピラの青春をテーマにして監督デビューしたスコセッシが、「人間の原罪」というカトリック的な作家性を発揮して、「人間は罪を犯す動物である」というテーゼでマフィア映画を撮ればここまで突き抜けた傑作になるのは当然でしょう。登場人物は男も女もみなろくでもない人間のクズみたいな奴ばかりですが、トミーが粛清されたと知ってジミーがおいおいと声をあげて泣くシーンが、劇中唯一の救いの様なシーンでした。[良:1票]