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<ネタバレ>我が愛するケン・ラッセル先生はとってもヘンな映画を撮ることで有名ですが、音楽家をテーマにした映画にはケンちゃんの十八番だけあってわりと出来が良い作品があります(おっと『リストマニア』っていう怪作もありましたっけ)。マーラーの生と死を描いた本作は、ケンちゃんのフィルモグラフィの中でもかなり上位にランクしたい良作です。NYからウィーンに帰る列車の中でマーラーの生涯と芸術を走馬灯のように見せる構成は、ケンちゃんの作家性と思い入れが込められていてなかなかのものです。彼は映像美にあまりこだわりを持たないタイプの映画作家みたいですけど、本作は珍しく自然を美しくとらえている映像を見せてくれます。ですけど、コジマ・ワグナーが出てくるあたりは、ケンちゃんワールドが炸裂し免疫のない人には刺激が強すぎるのですが、ファンにはそれはそれで嬉しいところです。マーラー入門としては好適な一篇です。