<ネタバレ> アンジェイ・ワイダの初監督作品らしいが、この時点でワイダ監 .. >(続きを読む)
<ネタバレ> アンジェイ・ワイダの初監督作品らしいが、この時点でワイダ監督の映画におけるスタイルは確立されている。
ナチスの占領下にあっても「労働者」という人生を楽しく過ごす青年が、美女ドロタが旗揚げした地下組織運動に参加することで人生観が変わっていく。
運動に参加するきっかけが、ドロタへの一目惚れというところに、この映画の甘い匂いを感じさせる。
作品の随所に描かれる、若者と、違う世代の人々の会話が、とてもいい。
「俺たちは労働者だ。これからは名前で呼び合おう」と若者に言う中年男性。
「辛い老後だな」と老人に同情する若者に、
「お前さんもいつか同じ目に逢うさ。だがワシはお前が好きだ。違っているといいが……」
死と隣り合わせに生きる人々の胸が熱くなる会話だ。
そして、やはりラストは名シーンである。
ドロタの運命と主人公スターショの運命の交錯が、希望を描きながらも涙を誘ってしまう。