<ネタバレ>以前から勧められていて、ようやく観る機会にありつけました。 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>以前から勧められていて、ようやく観る機会にありつけました。
前評判から自分がイメージしていたものと違い、正直全体的に暗い。
板尾さん演じていたファミレスの店員が唯一楽しみにしていた時間が、この空気人形、言い換えればダッチワイフですよね。
そのダッチワイフに心が生まれるのだから持ち主と空気人形との人間関係に注目すると思うのですが、「私は空気人形…ただの代用品…」とばかりに表に出て、日常の世界に興味を抱いていくのです。私的には持ち主から離れていくのだから、人間を毛嫌いするとばかりに思ったのですが、中年ОⅬやお爺ちゃん、レンタルビデオ屋の店員と心が通じていくのだから不思議です。
どうして彼女は板尾さんを許せなかったのでしょう。
前の恋人の代用品と思われるのが嫌だったから?
ここに出てくる登場人物のほとんどは自分を同じように代用品同様に価値観を見失っています。
いろいろな偶像劇が登場するのはいいのですが、何か、こう、これといって、意外なキャラクターが出てこないんです。
キャラクターが出てこないから、結局、なんで空気人形にしたんだろうって思っちゃうんです。
80年代に「マネキン」という、とても魅力的なファンタジー映画がありました。
デパートのマネキンが一人、主人公の男性の前だけでは魅力的な人間の女性になるという映画です。パーッと明るくなるハッピーエンドの映画でした。
この映画に同じものを求めようとは思いませんが、ラストの男を殺してしまうブラックユーモアが私にはブラックすぎてユーモアが欠如しちゃっています。
私的には、せっかく空気人形に心が生まれたのだから、もっともっと優しさを注ぎ込んであげてもよかったのではないかと思います。
そう、優しさが足りませんよね。