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<ネタバレ>これ『5歳児向け』のかなり限定された作品なんですね。子供で言えば3歳~8歳くらいまでしか楽しめないだろうな~と思った。なぜなら、自分が小学校の頃の思い出に即して言えば、こういう起承転結のはっきりしていない物語は嫌いだった。例えば、宮沢賢治の「やまなし」とかがいい例。国語の教科書で出てくるのですが、起承転結もはっきりせず、「クラムボンって何?」とか「何が言いたいか分からん」とか授業中ずっと考えていた。で、先生に聞いても親に聞いても、彼らですらアヤフヤなこと言ってる。子供ながらに「全く糞つまんねー話だな」と思った記憶がある。大人になった今読むと、すごく想像力を鍛えてくれるいいお話だと思うのですがね。星の王子様とかもそうですね。
このポニョという話も一緒。理解不能の生物がうようよいて、プロットが分かるように作られていない。自分が小学生だったら、「なぜこうなるの?」「どうしてこうなるの?」と親に質問しまくっているに違いない。海を走るとか、おもちゃの船に乗るという設定はワクワクするから許せるとして、なぜこういう展開で話が進んでいくのかが分からないと忽ち不満になる。大人でさえ意味を掴みきれず、自分なりの解釈を持って説明しづらいのに、それをどうやって子供に説明するのか。ポニョソングで誤魔化して、子供をいなしている親の姿が目に浮かぶ。まぁ、ポニョと波が宗助に突進してくるあのダイナミズムや、泡とかクラゲとか、おもちゃの船にのっちゃう所とかのデティールは充分楽しめるでしょうが。しかし、やはり宮崎駿ですね。どんなにVFXやCG、画像処理の技術などが発達しても、キャラクターの持つあの躍動感と生命力はまだまだCGでは表現しきれてないなあと思いました。大人である自分から見たら、想像力を使わせてくれる壮大な御伽噺であり、最後レスキューらしきものが見えたときの現実的な展開には思わず涙腺が緩んでしまった。本当は怖いおとぎばなし。出てくる度に説明台詞を吐くフジモトに-1。リサのダメ母っぷりに-2。宗助がしっかりしすぎているのがなんだか可愛そうに思えた。子役二人は声優並に良かった。[良:1票]