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<ネタバレ>ようやく観てみる気になりレンタル。バリバリの社会派ドラマかと思っていたら、わりと「愛ってなんだ?」的な話がメインになって行き、「愛とはこういうものだよね」は描かずにおいて「執着」との対比をそれとなく見せていく。作者なりに正解は用意されていたかもしれないけど、バラの蕾の謎は「そうだったのか!」とハッキリ確信するまでには至りませんでした。実は最初に観終わった瞬間は、ラストで燃えていく「バラの蕾」と書かれた物が何だったのか気づきませんでした。巻き戻してソリだと分かった時に感心しました。残した最後の言葉が、開花しない愛人の才能のことか、幼き頃から残る母とのわずかな記憶のことなのか、分からないけれど、彼が本当の愛し方を分からない姿を「バラの蕾」で描き、彼がなぜそうなったかを「バラの蕾」で示す。そんな物語り方が巧いなと思いました。あと、冒頭からの彼についてのフィルムが終わって、既に亡き彼の実態を他者が探って行くという構成は、黒澤明の『生きる』の主人公の葬式からの展開を思い出しました。影響とかあったのかな…?[良:1票]