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<ネタバレ>クスッと笑えたり、終盤はちょっと涙が出ました。なので、好きか嫌いかで言えば好きです。けれども、この映画には、ふとリアルに考えた瞬間に感動が薄れてしまうツッコミどころが結構多く存在します。まず、毎日のように何通も来ていた手紙がある日から突然何日も来なくなるという不自然さ。狼狽ぶりから、これまでに神父が体験しなかったであろう突然の急激で大きな変化です。背景に人為的な何かがあるものとばかり思っていたら、そうではない展開だったので、そこで凄く嘘くさくなってしまいます。そして、神父がなぜ姉のことをずっと黙っていたのか、そこが何も説明されていないので、ラストを感動的にするために作られた流れをとても感じてしまうことになります。人を不幸な思いから救い出す大事なことなのに、下手すると告げられないままどちらかが死んでいたかもしれない可能性が大きすぎて、それを思うとヒンヤリしてしまいます。そういうふうに冷めてしまう設定がもう少し上手く作り込まれていたら、もっと素直に泣けたかもなぁ…と思う作品でした。自身の存在を無価値に思い始めた神父のためにレイラが自分について語る優しさ(フィンランドおばさんのツンデレ)、そしてそれを聞いた神父がレイラに与える言葉が印象的でした。これも冷静になってしまうと「人は神の名の下に殺しを正当化する」という側面も思わせて、それはそれでゾッとしますが、レイラには与えられてもいい言葉だと思うので…。