<ネタバレ>途中まではかなり面白く思えたし、単に視覚上のことでも主人公が .. >(続きを読む)
<ネタバレ>途中まではかなり面白く思えたし、単に視覚上のことでも主人公が夕暮れの屋上をグルグル走るシーンの色調とかとてもいい感じに思えたりしてました。けれど、主人公が熱く訴える思いの中あれほどの借金をしてまでどんなフィルムを手がけていたのか、そこは全く描かれていかない。結局、主人公は借金を返すために殴られるだけの人物像に成り下がって行く。ヤクザの事務所だかなんだかも、あれほどスペースをとってしまうボクシングのリングが常設してあって、常設するからには普段ヤミの賭けボクシングだの一応プロの選手育てているだの何か利用されているはずだけど、その描写はちっともないお飾り。あんなリング設備がありながら、まともなサンドバッグの打ち方する人間一人登場しない。主人公の殴られ屋は、たとえ腹だけだとしても素手で何発も受けてたら、回復が追いつかないから連日営業は絶対無理! アバラだって絶対ヒビはいるはず。それを顔面まで素手パンチを無数に受けるとか、死んじゃうだろうし、そうならなくても失明するはず。この映画を作った人たちは現実の痛みもよく知らないバーチャルどっぷり世代なんでしょうか? このバカバカしい描写がずっと続く中で「本当の映画というものは…」みたいなことを言われても「あんたらこそ、分かってないんじゃね?」という気分になっていく。 最近の映画に言いたいことの気持ちはとても共感できるけど、それ言う君がこんな程度の作品かい…て話です。