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<ネタバレ>導入部の父と息子の会話にうまく引き込まれました。メアリーもとても魅力的なので、そこでうまく目を潰れると気にならないかもしれませんが、とにかく事がうまく運ぶまで何度でもやり直すという中盤になって、僕はちょっと付き合い切れなくなりました。
この展開で物語に完全に冷め切ってしまう前に、自分の子供が別人になってるという新たな展開でなんとか持ち直しました。ここから、際限なかったタイムトラベルに縛りがかかる(何度でもどの時点でもやり直しできなくなる)というのが良かったです。
それでも、ガンで死んだ父親と何度も過去に会いにいくというのが、ちょっと…。しかし、第二子を持つ決意によって父との別れを覚悟することに。こういう形で世代の移ろいを表現するのは新しいなと思いました。
父の気づきを超えた人生の秘訣も話としてはイイのですが、それは一見「タイムトラベル? そんなものもう僕には必要ないよ」って感じでいて、けれど彼が掴んだ幸せはさんざんタイムトラベルをして手にした物。なんかうまく騙されているようで納得いかない。
「若いうちは何度でもやり直せるよ。納得するまでチャレンジしなさい」ということなのかなぁ? でもねぇ…この映画観てて、これまでのタイムトラベルもの観ても考えが及ばなかったことに思いが至った。それは、主人公が過去に飛ぶ度、世界中の老若男女全ての人が人生をやり直しているということ。
で、彼は自分以外の何かとの関係性を自分の求めるものにするために、過去に戻ってトライ&エラーを繰り返すわけですが、それに間接的にでもなんらかの関わりが生じた人の人生は変わってしまうわけです。もしかすると勝ち組だった人が彼のせいで負け組に変えられたかもしれない。実際、メアリーのボーイフレンドのことはどうなん? 自分だけが都合よく何度でも先回りできて、そのために悪影響を受ける人もいるはずなのだが、こんなアンフェアなやり方で手にした幸せの上で「人生の秘訣」などのたまうのはいかがなものか? なんて野暮なことが頭をかすめてしまいました。
リアルな人生は、失敗は周囲に記憶されるんよねー… リアルな人生はそれも噛み締めたりしますがねー…[良:1票]