本作はそれまでの北野映画に比べ、非常に解りやすく、暴力描写も .. >(続きを読む)
本作はそれまでの北野映画に比べ、非常に解りやすく、暴力描写も抑え気味であるところから、一般的に高い評価を受けながらも、コアな北野映画ファンには「ソナチネ」などよりも評価が低いようだ。
そういう自分も北野映画の大ファンであるが、それ以前に単純ないち映画ファンなので、良い映画なら誰が監督で前作がどんなものであろうと、素直に「良い」と言いたい。
ところどころ暴力的なシーンはあるが、これまでで一番優しいたけしが作品全体を通して描かれている。
映画中のたけし、岸本加世子の仕草ひとつひとつがとても切なく、北野ファンでなくとも充分に感情移入出来ると思う。
岸本加世子の台詞が無い、表情だけで見せる演技は秀逸。
ラストの台詞で思わず涙してしまいました。
特別奇をてらった演出や難解さは全く無いが、美しい雪国、海を背景に描かれる悲しい夫婦愛に、心が揺さぶられるシーンがいくつもあった。
絶望的な旅ながら、2人はとても楽しそう。美しい花火ほど、散り際はとても切ない。
素敵な一本だと思います。