基本的にはいい話だが、実話を基にしてるにも関わらず絵空事に見 .. >(続きを読む)
基本的にはいい話だが、実話を基にしてるにも関わらず絵空事に見えてしまう。笑いが病気を癒すというセオリー、人間性の無い医療や医師の権威主義の批判はいいのだが、フリー・クリニックというのが現実味が無いんだなあ。大学病院から物資をちょろまかすくだりがあるが、そんなことばかりしてたとしたら、倫理性に問題があるだろう。最後に彼が土地を購入し、フリー・クリニックを設立し、保険無しの約15,000人の人を無料診療した、というテロップが出るんだけど、この人、元々資産家なのか?ならば資金源の謎は解けるが、そうなると途端に「金持ちの篤志家に任せろ」という実に安易な結論になって、メッセージ性が無くなってしまうのではないだろうか。もちろん、金持ちの篤志家がそういう行動をすることは尊いと思うが、彼の批判する保険制度などの根本的な問題は解決しない。あと1点、小児病棟の子供の笑顔や天使の仮装で患者の心を開くエピソードには和まされたが、パスタのプールは不快だった。食べ物をびっくりするほど大量に粗末にして、貧しい人への医療サービスについて語られても白けてしまう。ここが実話かどうか知らないが、例えそうだったとしても「パスタに実に触感の似た食品でない材料を使ったんだ」と脚色する位の配慮が必要だったのではないか。役者については、ウィリアムスはキャラを生かしてまず熱演しているが、それより出番のあまりなかったホフマンがいい仕事しているなあと思った。