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<ネタバレ>大自然を過不足なくフレームに収めてこれこそ映画だという、いかにも大監督がしそうな勘違いを無批判に継承したような映画。雲の絨毯を眼下に見渡しながらの会話シーンなど確かに声を失う美しさではあるが、一方で映画が一番撮らなければいけない「人と何かとの間」を撮ることには、興味がないのか自信がないのかあまり優れたものを感じない。人が自然と絡む雪崩や転落シーンなどちゃちくてまるでテレビみたいだし、浅野忠信は謙虚だがたまに口を開けば大根だし、香川照之は有能だが顔が決定的にダメで(宮崎あおいはすごくいいけど)、人と人とが緊密に絡む映像とはほど遠い。彼らももし一流の監督にかかればなんとかなったかもしれない。ちうことで所詮半端な2流の映画だが、実際に登山したという収録時の苦労話に同情してまあ6点。CGが発達した今の時代、そんなもの映画の出来に全然関係なくなってきているのだが。