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<ネタバレ>一応ストーリーらしきものはありますが、それよりも場面場面の対話で見せる映画ですね。会話も舞台劇風で、かなり好みです。出演者では杉村・乙羽よりも、朝霧鏡子に存在感がありすぎ。ほとんどこの方で保っていたんじゃないでしょうか。夫の観世栄夫もよかった。もっとも、牛国夫妻のいない場面では、主役2人の対決があったりして、これはこれで見ものでした。前半はかなり笑いの要素があり、後半と好対照をなしていました。
ちなみに終盤、牛国夫妻が心中した海岸を、蓉子と豊子が歩く場面があります。2人の後ろ姿を撮っているのですが、乙羽信子の歩き方がフラフラ。やっと歩いているという感じです。かなり病気が進んでいたことを伺わせますが、あえてこのシーンを撮った監督の思いは、決して本作のテーマと無縁ではないと思いました。
何にせよ、妙に印象に残る映画でした。私も年をとったということか。