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<ネタバレ>これも数十年ぶりに見ました。デジタル・リマスターされたのか、画もきれいで音声も聞き取りやすく、ついでに字幕も新しくなったようで、元から評価の高い作ですが、個人的には面目を一新したというところ。これまでは、ハリーが単独で犯罪を行っていたと思っていたのですが、実は組織のボスたっだと判明。終盤も男同士の友情と女の愛情に犯罪捜査がからみ、なかなか渋い展開でした。戦後ウィーンにおける人種の問題にもちょっと触れていて、みんなアンナをしぶしぶ逮捕しているところが印象的でした。映像的にはモノクロのコントラスト、光と影の使い方がうまく、まさに芸術的。このような作品を見ると、もう映画はモノクロでいいんじゃないかとまで思えてきます。
カメラを斜めにした構図は面白いのですが、ちょっと使いすぎてインパクトが弱くなってしまいました。それと、肝心なところでホリーの心情が簡単に変わってしまうため、人物像が軽すぎるように思われました。それ以外は、とぼけたユーモアもあってかなりよかったです。