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<ネタバレ>このラスト、やっぱりダメでしょう。この犯人は異常にプライドが高く、自分ではすぐれたトリックを考えられないと言われた結果、「あれは自分が考えた、だからすべてわかっている」と答えてボロを出したとされていますが、あらかじめそうした知識を以て見ても、そんな人物には思えません。なのでこちらはなにがどうなったのか理解できず、鳩が豆鉄砲を食ったようキョトンとするだけです。これはシナリオが悪いのか、演出が悪いのか、おそらく両方でしょう。あと、マフィアに罪をなすりつけるのに、嬉々として自分から説明していては、かえって怪しまれるというものでしょう。こんなに駆け引きが下手でよく交渉係が務まったと感心します。犯人のフランクリンに関しては破綻が多いし、魅力も感じられません。スピルバーグの演出は、アップを多用したり光を使ったりと、画作りは面白いのですが、すでに述べたように人物造形はうまくいっていないようです。第1の事件のトリック自体はいいのですが。