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<ネタバレ>あいかわらずリー・ヴァン・クリーフが渋くてかっこいい。本作では、いずれ若者に追い抜かれるであろう中年男のわびしさや、そんな若者を利用する狡猾さもうまく出していました。対する ジュリアーノ・ジェンマは、本当はガンマンに向いていないナイーブな若者役が合っています。最後に銃を捨てるところは、ジェンマだからサマになります。彼の映画は、ああいう甘さがあるところが特徴のようで、製作者も俳優をよく見ているということでしょう。
本作では、必ずしも簡単な善悪の対立構造図になっているわけではありません。正義を行使しようとしているのは、保安官の任に当たった2人くらいでしょう。あとの人物は、だいたい私利私欲で動いています。スコットにしても、マーフを殺された怒りからタルビーと決闘したわけで、街を守ろうとかいう気持ちはあまりなかったでしょう。あと、判事の娘があっさりタルビーについていったりと、現実的な面もしっかり描いています。そのあたりが単に甘いだけではなくてよかったと思います。