製作年である昭和29年まさにその時代の風景を、大きなテーマ .. >(続きを読む)
製作年である昭和29年まさにその時代の風景を、大きなテーマも出来事もな異淡々としたストーリーでありのままに映しだしただけの映画なのだが、なぜか妙に懐かしさと心の琴線に触れるものを感じる。
私が生まれるより前の話なのに、この懐かしさに似た感覚は何なんだろう。日本人であることって、こういうことなのかとちょっと考えこんでしまった。それとも、ただ昔を懐かしむ世代に突入してしまったのだけだろうか?
娯楽映画としては大して面白くもないのだが、このへんな感覚が妙に心地良く、最後まで飽きることなく見てしまった。
乙羽信子って、若いときはすごく魅力的な役者だったんだね。