<ネタバレ> 黒澤監督の、戦後すぐの民主主義プロパガンダ映画。
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<ネタバレ> 黒澤監督の、戦後すぐの民主主義プロパガンダ映画。
GHQの検閲が厳しい折、娯楽性ゼロ、コメディ要素ゼロのシナリオになってしまっている。
そんな中で、美人女優の原節子がお嬢様から汚れ役までこなし、それを感情や情景が滲み出るような印象的な絵作り、カット割りをして、ある女性の数奇な半生のドラマとして「映画」に仕立てたことに黒澤監督の才能を感じる作品。
しかし、この説教じみたストーリー展開だけは、いくら黒澤監督でもいかんともしがたく、面白い映画かと言われれば、好んでみるようなものではない。
シナリオの制約で、娯楽性ゼロのプロパガンダ映画を、一応鑑賞に耐えるドラマ性のある「映画」に仕上げた黒澤監督が凄い、ということを感じる映画。