世界に誇る宮崎アニメを十分堪能させてくれる作品。アニメであ .. >(続きを読む)
世界に誇る宮崎アニメを十分堪能させてくれる作品。アニメであることをここまで活かした映像で世界観を表現できるのは、ジブリの右に出るものなしと言う感じ。
映像、展開、カット割り、キャラクターの演技?は、アニメであっても実写映画と同様に論じることができる質の高さを持っている。そして、アニメでしか表現できない部分で、実写映画を完全に超えており、さすがとしか言いようがない。
実写映画では表現に限界があり、特撮、光学合成、CG等でこれを補っているが、アニメでは自由に表現できる。その自由さが、幼稚であったり、ご都合主義過ぎたりすることが多く、かえって「映画」としての質をスポイルして、実写映画より一段低い、どちらかと言えば子供向けの娯楽作品と評価されてしまう。
このため、例えば古いディズニーのアニメは、キャラクターの動きを現実に近づけることで、むしろアニメの自由さをやや抑えて「映画」の質を高めてきた。
しかし、この映画では、アニメの表現の自由さを最大限利用して、なお高い完成度で「映画」の質を高めることに成功している。
シナリオへの賛否両論はあるだろうが、そのメッセージ、世界観は充分に伝わってくる。充分伝わってくるがゆえに好き嫌いで評価しやすく、嫌いの部類の人は極端に低い評価になるかもしれないが、名作であることは間違いない。