クライマーズ・ハイという状態が、登山中に興奮が極限に達し、恐 .. >(続きを読む)
クライマーズ・ハイという状態が、登山中に興奮が極限に達し、恐怖が薄れる瞬間の精神状態を指すということであれば、この映画で、その「クライマーズ・ハイ」状態に陥っているのは、映画の中の記者たちよりも何よりも、この映画を製作していたスタッフたちに他ならないだろう。(この作品にテーマがあるとすれば)テーマの構築を忘れ、ただその場その場の画面を撮り上げることだけに淫している。大事件で遊んでいる(と云われる)記者たちではなく、まさに映画で遊んでいるスタッフたちがいる。
高くついたであろうナット・キング・コールの「モナ・リザ」の楽曲使用も、高くついたであろうオーストラリアロケもただ空しい。
この映画のメイキング・ドラマを映画にすれば、それこそまさに「クライマーズ・ハイ」というタイトルが相応しい、このテーマにぴったりの作品ができるだろう。