<ネタバレ>本作に「アバター」のような大作っぽさを期待すると確実に裏切ら .. >(続きを読む)
<ネタバレ>本作に「アバター」のような大作っぽさを期待すると確実に裏切られます。
何せ、ストーリーは「危険な状態になった地球で、息子がちょっと離れた場所におつかいに行き、父がそれをサポートする」というだけです。
舞台は「人類抹消のために進化した地球」という設定ですが、そんなすごそうなもんじゃなくちょっと危険なジャングル程度の印象です。
登場人物も両手で数えられる程度で、それほど劇的な展開はなく、かなり地味な映画と言っていいでしょう。
こうなったのは、ストーリーの原案が(本作で主演も務めた)ウィル・スミスであることも関係しています。
さらに本作は「幸せのちから」と同じく、ウィルとそのリアル息子のジェイデン・スミスが共演している作品でもあります。
つまり、ウィルの「息子に役者として成長して欲しいなあ」という願いが込められた親バカムービーと考えて差し支えありません。
「親に反発していた息子が成長する」という要素なんて、まんまウィルの「理想」としか思えませんもの・・・
でもわりと面白かったのは、登場人物の「内面」を丹念に描いているからです。
親が子を想う気持ち、子が親を疎ましく想う気持ち、自身のせいで肉親を失った苦しみ・・・そうしたものを大切にしているのです。
個人的に印象的だったのは、サイファーがモニター越しに、バースデーケーキのロウソクの火を消してくれと頼まれるシーンです。
このときサイファーは息を吹きかけ、ローソクは消えたように見えましたが、実際に火を消したのは見えないところにいたキタイでした。
父は家族に影響を及ぼしているのですが、それ以上に影響を与えるのは近くにいるものなのです。
息子のキタイが、父と同じような影響を与えることができる・・・そんな描写だと思います。
しかし他のサイトの評判が散々なのに、このみんなのシネマレビューではそれなりに高評価というところも、観る人の違いを感じて面白いです。