9つの短編全てがワンカットで撮られています。主人公の女性たち .. >(続きを読む)
9つの短編全てがワンカットで撮られています。主人公の女性たちの周囲をカメラがゆっくりと追いかけてゆくだけで、詳しい背景説明もありません。どれもありふれた日常の風景であり、今この瞬間、自分のいないどこかでこのような出来事が起こっているのではないかという想像力が膨らむような場面が続きます。わずかに重なり合っている短編の合間から、世界は自分の意志とは無関係に存在していて、ただ今ここにいる人物の視点の数だけドラマが生まれるということを強く感じさせてくれます。当時働いていた岐阜では公開館がなく、伊勢の進富座まで観に行ったことも良い思い出です。