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<ネタバレ>例えるなら激しく音漏れしている人のヘッドホンを引っこ抜き耳元で「やかましい!」と叫ぶ、携帯電話での情報交換に余念のない人に「車内での通話はご遠慮下さい」と睨みつける、日々感じるストレスに正面から立ち向かい自力(脅し含む)でストレスを解消するイカレクレマーの映画です。電話のための両替を拒む店主にキれ、マクドのモーニングセットを食べるために銃を持ち出し、自分が正当なクレームをつけていることを強調して暴れまわりこちらも応援目線で観てしまいますが、興味深いのが彼もまたキれる他人に出くわすところ。視点を変えれば彼は権利を主張する他人から迷惑を受ける可能性のある一人であり、少し他人よりもクレームの声が高いだけでしていることは同じなのです。皆が感じる些細なストレスがこの映画に充満していて、その熱量がハンパありません。ロバート・デュバルでさえ鬱憤を爆発させるその一人になっています。ただ難点は、衝動的な殺人を犯し一線を踏み越えてしまった際、その背景がうかがえ知れる心理的な描写がなかったところです。この描きこみが明確であれば『タクシードライバー』クラスの映画になりえたかもしれません。[良:2票]