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<ネタバレ>公開当時、クリス・カニンガムが手掛けたビョークのPVに登場するロボットのデザインの盗作騒動で話題になった映画。
無機質な白いロボット、陽気でアナログな黒人という分かりやすい対比で描かれる本作は、そういった図式的な構図が目立つ。
スプーナーとサニーという、完全な人間でも完全なロボットでもない中間にいる半端な存在が理解し合えた時(握手)、両極にいる人間とロボットの新しい関係を結びつける<<架け橋>>になる。
スプーナーは片腕がロボットであり、サニーは人間の心を持っている。
この両者のグレーゾーンである部分が最後に命を救い、ヴィキへの勝利に貢献するという事を見逃してはならない。
ラストカットは十字架型に朽ちた<<橋>>をバックに、サニーがロボット達の救世主となった様が描かれる。
(「大昔に水の上を歩いた男が1人いたな」というセリフはサニー=キリストである事を暗喩している。)
単純なSFアクションと割り切れないのは、ストーリーを構成するパズル要素が周到に配されており、神話的アプローチも多分に施されているからではないだろうか。
冒頭の左肩を気にする仕草や、「上っ面だけみて中身まで分かった気になる」というセリフ等、伏線も細かい。
アレックス・プロヤスの作品全般に言える事だが、この監督の映画は画作りに凝っている。
それも内在のセンスに頼らず、その都度新しい物を吸収し、時には少し模倣し、咀嚼して発信している事が伺える。
芸術家ではなく、デザイナーに近い仕事だと感じる。
しかし、やはりウィル・スミスは人間以外と絡んでいる方が観ていて面白い。[良:1票]