<ネタバレ>まず初めに、これが実話だということで、何よりもFBIの初動捜 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>まず初めに、これが実話だということで、何よりもFBIの初動捜査さのあまりにのいい加減さに呆れてしまいました。捜査というかもう初めから主人公を犯人扱いしていることに、は?が止まりませんでした。過去の事例になぞって都合よく犯人に見立ててるだけじゃん!れっきとした証拠も何もないのに。証拠がないから逮捕もできない。そして逮捕もされていないのに犯人扱いするメディアもまた恐ろしい。こういったのを見ているといかに人間が洗脳されやすくそして、愚かだというのがわかりますね。
イーストウッド監督は、本当にこういった人間のずさんさを描くことに関しては天下一ですね。
また主役を演じたポール・ウォルター・ハウザーさんの演技も素晴らしかったです。たしかに行き過ぎた正義感があって、それが逆によからぬ方へといくかもしれないかも、という危うさを見事なまでに表現しきっていてた。彼の演技だけでグイグイ作品の世界に引き込まれちゃいました。
結局物的証拠もなく、リチャードを逮捕することが出来ずに終わるわけだけれども、誤捜査によって傷付けれらたことへの謝罪がなかったのには腹が立ちましたね。容疑者から外れたことを報告に来てもクロだと思うって捨て台詞吐く始末。あーやだやだ。
ただそんなFBIを嫌というほど身にしみて思い知らされたのに、リチャードが警官になっていることに、それでも彼は国の正義を信じていくことに何の迷いもないんだと、つくずく感心されられました。もし自分がリチャードの立場であんな経験をしたら、もう国のためにとか人々を守りたいとか、そんな考えなくなってたかも。
映画の最初にサム・ロックウェル演じるワトソン弁護士と出会うのだけど、そこの描写がまたなんていうかそこまで特別な感じじゃないのが良いんですよね。ごくごく普通で当たり前な感じが。それが実はリチャードにとってはとても嬉しいことで、自分を唯一「人」として接してくれたって、ラストでワトソンに打ち明けるあそこにいきてくるんですよね。本当見事な演出です。
久々に良い映画を観ました。
ありがとう、イーストウッド監督。