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<ネタバレ>MCU単体作品の中でもダントツに安定した水準を保ち続けているシリーズ。今回もまた、ご多分に漏れず非常に出来の良い内容だった。
まず物語の「起承転結」にあたる「起」のところだが、前作で恨みを買ったソヴリンの女王アイーシャが、人口ポッドで生み出した息子アダムにガーディアンズ襲撃を決行させたところからはじまるわけだが、この「起」が後に「転」のところにうまく繋がってくるんですよね。本当に憎たらしいくらいに良く練られた脚本です。そしてこの襲撃で負傷したロケットを助けるのが本作のメインストーリーとして動き出すわけです。全くもって無理がない展開。
そして「承」では過去から来て行方不明だったガモーラがなんと!ラヴェジャーズの一員として登場するというサプライズ。やってくれますね~。さらに、何やら怪しい研究をしている惑星が登場するんだけれども、これがまたオリジナリティに溢れていて、ガーディアンズの世界観を見事に表現している。エゴの惑星もなかなかだったけど、こちらも負けず劣らずに気色悪い惑星です(笑)
「起承」の流れの中でロケットの過去が徐々に明らかになってゆくわけだが、多くの人は科学者に改造されたアライグマ、ていうくらいの認識はあるわけで、案の定そういったものを見せられていくんですね。でも、単に改造されるだけでなくそこにはロケットというキャラの内面がしっかりと描き込まれているから、彼のバックボーンや心情を知ることで、この物語が単なるエンタメアクション映画に留まらない、レベルの高い作品に昇華せれていることを感じられるんです。なんか良いものを観た、て。
でクライマックスの「転」でアダムが死にかけのクイルを助けたり、そのアダムの母、アイーシャが死んだり、マンティスが宇宙怪獣アビリスクを手懐けたり、ロケットを作り出したマッドサイエンティスト、ハイ・エボリューショナリーとロケットの対決でロケットのIQが上回り、さらに仲間の助けで勝利する流れはお見事。さんざん独りよがりで最終的に味方がいなくなってしまったハイ・エボリューショナリーと違ってロケットには仲間がいたんだっていう、ガーディアンズらしさがここにドッカーンと現れていて最高にクールです。
今作のラスボスであるハイ・エボリューショナリーはまあマッドなだけでただの科学者ですから、あの重力パワーさえなんとかしちゃえば全然楽勝の相手なわけで物足りないかと普通ならなるのだけど、本作のメインは決して強敵を倒すのが目的ではないので、物足りなさなんて感じなかった。
そして「結」クイルとマンティスの脱退。ロケットの新リーダー就任。アダムと助けられた女の子となんだかよくわからないペットの新加入。新ガーディアンズ誕生っていう運びにはビックリ。クイルが抜けたのが1番ビックリだったけど。でもそのクイル、なにやらまだMCUに登場しそうな終わり方でしたね。ふふふ...。
とにかくここ最近のMCU作品の中でも非常にバランスのとれた素晴らしい作品でした。各キャラの見せ場やキャラ同士による相乗効果や化学反応も、文句のつけようがないほど仕上がっていた。
あ!それと地球をモデルにして作った惑星と住人たちを、失敗、という件はサラリと流すにはめっちゃすげぇ風刺でっせ、監督さん(笑)