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<ネタバレ>原作未読。少女が一夏の不思議な経験を通してちょっとだけ成長する、という意味ではジブリの王道の系譜を継ぐ作品ですが、今作の主人公の杏奈は、かつて無いネガティブ少女。自分が嫌いで仕方ない理由は劇中でも語られます。肝心のマーニーが杏奈の空想上の存在であることは、すでに序盤から明らかに匂わせており、主人公からも語られます。ただその妄想の根源は、見る者のミスリーディングを誘うかのように幼い杏奈がいつも抱えていた金髪の人形ではなく、さらにもっと遠い祖母の記憶でした。ジブリならではの北海道の豊かな自然描写は、今回も丁寧に描かれていました(ついでにジブリ名物「転ぶ少女」も)。今回声をあてた俳優陣は、そこまで違和感はなかったので一安心。欲を言えば久子さんがもう少し序盤から話に絡んできて欲しかったかな…(キャンバスに向かう女性だけに、昨年の「風立ちぬ」の菜穂子を若干思い出してしまいましたが)監督の前作「アリエッティ」がボリューム不足だったので、あまり期待せずに行きましたが、全体によくまとまったジュブナイルストーリーとして「普通」に楽しめました。