<ネタバレ>3つのエピソード、それぞれテイストが違っていて、どれも上質の .. >(続きを読む)
<ネタバレ>3つのエピソード、それぞれテイストが違っていて、どれも上質の出来だと思います。特に「第三話・もう一度」、口当たりのいいエピソードを最後に持ってきたおかげで、映画全体の後味もスッキリでした!
第三話の人気が高いようですが、個人的には「第一話・魔法(よりもっと不確か)」が一番好きです。一見、シロートでも思いつきそうな平凡なストーリーなのに観ていてまったく飽きないし、ラストの、写真を撮るシーンの意味もよくわからないんだけど、これ以上はないと思える締めくくり方。タクシー内でのだらだらと続く女子トークも、なぜか耳を傾けたくなります。演出力ももちろんだけど、主役の女優の演技力、なんかすごいかも。
「第二話・扉は開けたままで」は、ちょっとイタイ話でした。結果的に教授を逆恨みしていた学生の思い通りになってモヤモヤしましたが、バスを降りる前の女のキスが「ざまあみろ!」と言ってるようで非常に痛快! 序盤のキスを拒む場面は、このラストのためだったんですね。
第二話の結末がネット社会による悲劇、次の第三話はネットが崩壊した社会という設定。もしかしたら、第一話と第二話にも何かつながりがあるのか? それとも単なる「偶然」なのか?(笑)
この会話劇を成立させている脚本と演出だけでなく、映像センスも見事! 特に第二話ラストのバスが地下道路に入っていくところ、音楽との相乗効果で、とても印象に残っています。
ここ何年か、日本映画を観ようという気分になれませんでしたが、たまたま目にしたこの映画、本当に観て良かったと思える一本でした。