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<ネタバレ> 予告編とのギャップにまず驚きます。感動のごり押しでくるのかと思いきや、意表をつくコメディタッチ。
心臓病で、余命いくばくもない妻のため、小さい頃に亡くなった娘の隣の墓を確保する。ある意味人生のラストをテーマにしているにも関わらず、映画そのものはドラマチックに、エネルギッシュに、未来への希望さえ感じさせるように展開していきます。このギャップと絶妙なバランスが非凡な面白さを生み出しているのでしょうか。
ただ、触れられている方もいらっしゃいますが、隠し身代金をめぐる一連のどたばたで人が死んじゃったり、マルチェロが死体遺棄及び隠蔽及び横領という犯罪に手を染めちゃうってのは、この作風には合ってなかったかもしれません。
コメディ要素はこの作品の場合大きくプラスに働いていますが、それは交通整理だったり、生命維持装置だったり、倫理的・道徳的に許せる範囲内に留めておいて欲しいものです。それくらい、この作品は楽しい雰囲気の中に、夫婦愛や家族愛といった美しいテーマを表現することに成功しているのです。中盤から後半直前までのブラック・ユーモアに、何か雰囲気壊されちゃって残念でした。