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<ネタバレ> こちらでの評価が芳しくなかったので期待していなかったのですが、予想以上によくできていました。
ドラマとして誇張されている部分はあるにせよ、このご時勢に見ると絵空事とは思えません。
大都市が廃墟みたいに荒廃しちゃっているのはやりすぎだと思いますが、病院内の様子っていうのはこれに近い状態があるのではないでしょうか。
感染源疑いのある人への差別。非難。学校でのいじめ。院内感染。買占め。軽症者は自宅療養。命の選別。ブレイム病棟の専属スタッフは家にも帰れない。ワクチンも治療薬もないので、対症療法しかできない。
この映画ではすべてフィクションとして描かれていたことが、コロナ禍においてそのほとんどが現実のものとなってしまいました。もしこの映画の公開当時に見ていたら、『そんな馬鹿な』と一笑に付していたかもしれないです。
映画としても非常によく出来ています。
まず冒頭のフィリピンでの新型鳥インフルエンザがミスリードとして効いています。これによって、中盤明かされる真実に少なからず衝撃を受けることになります。
劇中感染症で亡くなる人物に規則性が無いことも重要。夫、父、母、恋人、医療従事者と多岐にわたります。そしてそれぞれの家族の悲しみがそのたびに映し出されます。こういったひとつひとつの家族のドラマを描いている点は高く評価できます。
パニックものとして誇張しすぎている部分はありますが、買占めに殺到する人々の様子はやけにリアルで恐ろしい。
感染源の調査や主演二人のラブストーリーに時間を割きすぎたせいで冗長になってしまった感は少なからずあります。
余計なものを排して純粋なパニックものとして2時間以内にまとめていたら、歴史に残る傑作になっていたかもしれないです。