ロメロのゾンビはゆっくり歩く。『走るゾンビ』に比べれば、迫 .. >(続きを読む)
ロメロのゾンビはゆっくり歩く。『走るゾンビ』に比べれば、迫力はないかもしれません。
ですが、そんな『歩くゾンビ』特有の恐怖というものが必ず描かれてきました。今までのロメロ作品において、ゾンビは畏怖すべき対象であったのです。
この作品はどうでしょう。今までのロメロ作品とは明らかに何かが違う。この作品ではゾンビはただの記号であり、ただのシンボルであり、ただの消耗品になってしまいました。アイテムであり、オブジェであり、コメディ要員と化してしまいました。
今までのロメロ作品とは違い、本当に低レベルな個性もこだわりもないただのB級作品となってしまいました。
個人的にロメロ作品で好きだったのが、無秩序や狂気のなかに描かれる秩序と平穏。そして壊れ行く文明社会。この作品ではそれも描かれません。サバイバル要素だって全然ない。
人間を捕食する描写がある。だからかろうじてゾンビムービーである。退屈はしませんでした。ですがそれだけの映画です。