<ネタバレ> 銃弾に倒れる前のヘンリー(ハリソンフォード)は、独善的で傲 .. >(続きを読む)
<ネタバレ> 銃弾に倒れる前のヘンリー(ハリソンフォード)は、独善的で傲慢、しかも浮気までしていたわけですから、確かに人から愛される存在ではありません。
ですが、法律に触れるようなことはせず、家族が幸せに暮らせるように必死に働いていたわけですから、決して悪い父親だったとも思えません。家族に向ける愛情の形というのは人それぞれだと思います。あれだけ贅沢な暮らしを奥さんと子供ができていたのは、ヘンリーが働いていたからこそ。それも立派な愛の形だと思うわけです。
よって、とてもよくできた心温まる物語だったのですが、事故後のヘンリーとの比較対象となる事故前のヘンリーを批判的な目で見ることができなければ、そもそもこの物語は成り立たないのでは。そういった意味では、前半のヘンリー、ちょっと説得力が弱い気がします。
また、事故後のヘンリーが決して理想の父親、とも言い切れないわけです。この作品の中でのヘンリーを良いと見るか悪いと見るかはもはや価値観の問題になるのに、あたかも事故前のヘンリーが悪い父親で、事故後のヘンリーが良い父親と言い切ってしまうような映画の作り方には疑問を感じます。
ブラッドリー(リハビリの人)、サラ(奥さん)、娘との交流が素晴らしく、その他職場の人々からお手伝いさんまですべての人との心の交流を描いている丁寧な作品だけに、説得力に欠ける部分が目についてしまったのは非常に残念。
せめて、ヘンリーが完全に記憶を取り戻し、以前とまったく同じパフォーマンスで仕事が出来る状態で、今回と同じ選択をしたのであればまだ納得できたのですが・・・