<ネタバレ> 血生臭い時代背景とストーリーを、ポップで明るい雰囲気に仕上 .. >(続きを読む)
<ネタバレ> 血生臭い時代背景とストーリーを、ポップで明るい雰囲気に仕上げたエンタメ作品。
よって多少の不謹慎感はありますが、気軽に見られるポップコーンムービーとなっています。
プロットも極力わかりやすくなっているようですね。
まずは南軍が北軍に敗北します。南軍のレンジャー部隊、故郷に還ります。故郷の村に、政府の息のかかった鉄道会社が立ち退きを迫ります。つっぱねます。仲間が処刑されそうになります。助けます。今度は母親が殺されたりして、報復強盗が始まります。
このようなシリアスな脚本を、ひたすらライトなテイストで味わうことになります。
当然犠牲者もいるわけです。ジェームズ兄弟の母親。ヤンガー兄弟の末の弟。また、話題の中でしか出てきませんが、ドク・ミムズの長男も死んでいます。
ですが『人の死』の扱いが、この作品ではかなり軽いです。悲しみ、怒り、痛みといった感情が、この作品から伝わってくることはありません。もちろん、そこから生まれるはずの、逆襲や復讐によって得られるカタルシスもありません。なんせ、ラストは自分達の家族を殺した相手と馴れ合う始末です。そして笑顔で新天地へ向けて再スタートですから、死んだ者達は浮かばれないですよね。
したがってこの作品は、終始ジェシー・ジェームズというアウトロー・ヒーローを描くことにこだわった作品と言えそうです。
そりゃあ、見ていて楽しいですが、深みはなく、共感することも無く、見応えもありません。
ついでに言うと、部分的に脚本がかなり雑です。 一例を挙げると、仲たがいのシーン。ここはかなり強引ですよ。
その人間性とカリスマで、みんなをひっぱってきたジェシー、突然のご乱心です。
『俺がボスだ。』『お前は死にぞこないだ。』
不自然極まりないです。
ライトなタッチは好きなのですが、しめるところはしめてほしいですね。
『袂を分かつシーン』や、『人の死のシーン』だけは、もう少し脚本や演出を練っても良かったのではないかな。