<ネタバレ>これはいろんなポイントで驚いた映画でした。まず主演の二人、初 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>これはいろんなポイントで驚いた映画でした。まず主演の二人、初老の夫婦を演じるコスナーとD・レイン。30年前、スターの絶頂期に輝いていた二人がいい感じで年齢を重ねている姿にちょっと感動を覚えました。佇まいからして抜群の安定感と演技力。彼らと共に時代を生きてきたわたしなんかの世代はこの夫婦にぐっと興味と共感を覚えるのでした。
このご夫婦、“婦唱夫随”なスタンスで年月を過ごしてきたみたいで。妻の意見が強くて夫が彼女の意を汲んで(しぶしぶ)従う、とよく見る夫婦の形態笑。
傍から見たら妻の「孫を取り戻したい」願望はちょっと暴走気味。手に負えないや、という困り顔のコスナーになんとなく肩入れしつつ、まあ結局のところは奥さんも現実と折り合ってあきらめざるを得ないのだろうな、人生の後半に喪失を経験した夫婦の心の整理を描いた物語なのだろう・・とアタリをつけて鑑賞してましたら驚きその2。
まさかまさかのタランティーノばりのバイオレンスムービーに展開するとはねえ!演出と言い、緩急をつけたカット割りといい、本当に恐ろしくて肝を冷やしました。
米国の田舎の排他的な陰気さ。ヨソ者が来たことがすぐに噂になる不気味さ。ラスボスに暴力女帝登場と、気が抜けない中盤以降の怒涛の展開。予想だにしなかった結末。
残念な邦題が足を引っ張ってるけど、”2時間サスペンス”として書き上げた脚本にしてはかなりの熱量が注がれている作品です。