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<ネタバレ>宣材スチール等ではG・ペックの姿が大写しなので彼が主役の話なのかと思っていたら、あにはからんや彼の子ども達の成長物語だったのですね。学校に上がりたての年頃の子の目を通して見る32年の米国社会。子どもだけど大人社会の諍いや差別などの現場に居合わせて社会の実相を学び吸収してゆく兄妹(とその友人)。
知的障害の隣人を事件の中心人物として世間に晒してしまうことはマネシツグミを殺してしまうこと。こんな高度な解釈を8歳やそこらで理解してしまうスカウト。彼女や兄を正しく導いてくれる父親が側にいてくれて本当に良かったです。強く正しく、そして頑迷ではない、”折り合う”知恵も携えた人物にグレゴリー・ペック。まあ前後50年にわたってハリウッド中を探しても彼以上にハマる役者はそういないのでは。当然のオスカーです。
スカウト役のメアリー・バダムも良いですね。おてんばな米国の女の子像はローラ・インガルスを彷彿とさせます。親子ともにアメリカの理想形が凝縮した良心溢れる名作であります。