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<ネタバレ>それにしてもなんという豪華な顔ぶれでしょうか。知らずに観始めたらあの人もこの人も出てる、という驚きが先に立っちゃった。もう主演クラスだらけ。みんなバスキア好きなのかな。ウォーホール役をD・ボウイに当てたのは、すごく良いところに目をつけたなあと感動すら覚える。あの真っ白ザンバラヘアーを乗っけただけで本人憑依したみたいにそっくりだ。そしてボウイ氏の演技も上手い。器用な人だ。
と、役者はずらりと実力者を並べたけれど、肝心の話はどうかというとこれがいまいち。売れっ子になって有名税を払うことに戸惑い、疲れるバスキア。群がる画商たち、疎遠になる友人ら。とまあ、こういう事象は一般人の私らにも想像はつく。その「容易に想像できる」範囲を超えてバスキアの物語を紡いでくれているわけではないので、どうにも退屈だ。ウォーホールや、先輩画家との交流の内訳は関係者らが語ったものだろう。バスキア本人がどう考えていたのか伝わらない。
オーバードーズで亡くなった、という事実から「友人を失って孤独だったに違いない」と決めてかかって作ったみたいな脚本に、ちょっとそれってどうなんだと思った。