わー、もの凄く暮らすことを躊躇しそうなわびしい19世紀のデン .. >(続きを読む)[良:2票]
わー、もの凄く暮らすことを躊躇しそうなわびしい19世紀のデンマークの寒村だ、とまず寒々しいロケーションに圧倒される。そこに生まれ、出ることなど夢想すらしない敬虔な姉妹。二人の“何事もなかった”それぞれの人生に降って沸いた二つのできごと。この二つのことが年月を経て、不思議な発酵力を見せる。こんなに何も無い場所にも人生の妙は訪れるのかあ。バベットは神様が遣わしてくれた「世俗の喜び」なのかも。質素な食事も良いけれど、美味しさで心を満たすこともそれはとても幸福なこと。
厨房でのバベットの所作が凛として、出来上がる料理も目を奪われるほどに美しい。あ、でもうずらが籠の中でぴよぴよ鳴いていたのにはひるんでしまった。私は軟弱だ。
こんなにも地味で難しいテーマを映像化した、その懐の深さと滋味溢れる味わいに脱帽しました。[良:2票]