<ネタバレ>なるほど、一映画会社を潰したトンデモ作品は忍耐を強いられる長 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>なるほど、一映画会社を潰したトンデモ作品は忍耐を強いられる長さだった。よほどダンスシーンが好きなのかチミノは。くるくると良く(しつこく)回る 人も馬も。
ストーリーが動き始めるのもおっそいし、主要3人のキャラの描き込みも充分とは思えないので特に誰にも入れ込めずだし。どうでもいい役に突如M・ロークがキャスティングされて画面浮きが激しく、脳が混乱するとか、ウォーケンがなんでか宝塚の男役に見えるとか、冒頭のK・クリストファーソンとJ・ハートが老け過ぎてて大学生に見えないとか、まあ大きいことから小さいことまで色々と問題の多い映画ではある。歴史の恥部をことさら演出のために改変されたアメリカ人は腹に据えかねただろうしなあ。
でも、そんなに“ひどい”映画ではないですよ。顰蹙をかうほどの大金を注ぎ込んで作り上げられた19世紀末のアメリカ社会のその姿!ライフルの手触り、むせかえりそうな人いきれ、乾いた空気、娼館の不潔で貧しい佇まいまでが それはリアルに感じられ、映像の格としては一等級もの。光ひとつにしても、柔らかな室内のそれと屋外での屈託の無い陽射とは違った色をしている。
苦労は多いけど(?)、観終えた時には100年前のアメリカを旅してきたような気持ちになれますよ。