<ネタバレ>ごく普通の一家の、どこにでもある日々を140分間見せ切る映像 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>ごく普通の一家の、どこにでもある日々を140分間見せ切る映像の力。50年代の台湾は家屋や舗装されてない道路や木の電信柱など、一昔前の日本を見ているようで懐かしさで胸がいっぱい。シャツと短パンで駆ける男の子(というかガキ笑)の生命力のまぶしさ。
時代的に政治が激動している最中だから、大人たちは穏やかではなかったでしょう。でも少年アハの目に映る日々は少年期から思春期にかけての、自身の生活圏のあれやこれや。教師に反抗したり恋心を抱いたり、小さいグループ間のけんかといった普遍的な青春なのでした。
父と母を順に亡くしてしまう悲劇も感情過多にならない描写で淡々としています。十代のアハには推し量ることが難しかったのであろう長女の胸の内も、どうにかして映画の中にもっと落とし込めていればお話に深みを持たせられたのでは。
お祖母ちゃんの存在が良いですよね。孫を可愛がり、大陸に帰りたがっていたお祖母ちゃん。道に迷ったら近所の人が送り届けてくれるあたり、当時の人付き合いの距離感の近さを感じます。
寝てんのか死んじゃってんのかわかんないって、まるでコントのようだけどいやあ昔ってこういうことあったんですよ。
お祖母ちゃん、せっせと作っていた神銭向こうに行って使ったかな。