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<ネタバレ>鑑賞後、本作を振り返り、とても良く考えられ、練られた内容である事に気が付きました。(自分なりに) 普段からよく映画を観ている人は、途中ワンさんへの拷問が始まる辺りから、『オチ』を詮索し始めるんではないでしょうか?ここまでの展開から察するに、よほどひっくり返さないか、よほどあらぬ方向へ話が向かわない限り、オチは2つに1つ。ワンさんが本当の事を言っているか、それとも嘘をついているか、だと考えられます。事実、そのオチはぼくの予想出来た範囲のものだったんですが、そんな予見出来る範囲の幅が狭い話だからって、本作の『質』には何ら影響を与えません。ぼく自身、予見出来たラストなのに、ワンさんの『あの』ラストの言葉にドン底へ突き落とされてしまったワケなんです。それは何故か?ワンさんが地球へやって来た理由です。「人類と親交を深める為」何度同じ質問をされてもこうとしか答えません。観客はもしかしたら本当なのでは?と思い始め、次第に何故この政府の人は信じないのか?と逆に疑問と不快感を抱き始めます。その代弁者が通訳の彼女です。中盤、彼女は電話を探しに施設を捜索します。観客はその彼女へ感情移入し、彼女目線のサスペンス展開が始まります。観客はここで完全に施設側の人間が敵だと刷り込まれてしまいます。もうこの辺りで最初に抱いた『予想』はすっかり頭の片隅です。そしてワンさんと脱出します。階段を上れないワンさんに、その容姿に少なからず嫌悪を覚えていた彼女が進んで手を差し伸べるシーン…。もう完璧にやられました。人は目や耳にした情報(噂やカタログスペック等)にとても感化されやすい。とても見事なミスリードだったと思います。そして『あの』ラストシーンへ持って行くんだから、この演出をした監督サンは素晴らしい手腕だと思います。ムッキー!!アイツ憎たらしー!くやしー!そんなワケで、これをハリウッド一流スタッフでリメイクしたら、すんばらしい一級SFサスペンスに化けるんではないかと、実は期待したりしてます。そしてセットやCGに大金注ぎ込んでつまらない映画撮ってるハリウッド関係者はこちらを見習いなさい。[良:2票]