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<ネタバレ>「清丸の様な人間を守る価値はあるのか?」この映画は数ある可能性の1つを示し、明確にその『答え』を出している。銘苅が選ばれた理由、私情や感情に流されず、体を張って職務を全うする男だからだ。凄惨な過去を引きずりながらも、それでも生きていく決意を固め、対象者を守るのは己に課した信念の為。その彼が結局は、「5人の中で一番お前を殺したかったのはこの俺だ!」と本音をブチまけている。賞金が懸かっていなかったら直ぐにでも殺していたであろう白岩、被害者の姿を見ていて、最初から感情が高ぶっていた神箸、一番まともだったのは、最年配の関谷だろうが、はたしてその感情が『まとも』だとも言えるのか?「清丸が出所して、新たな被害者が出たらその子に何と詫びる?」という奥村の台詞が的確、かつ印象的な反面、まだ起こってもいない『可能性』でしかない事を論じるのは言い出したらきりがない。そして銘苅に「言い訳でしかない。」と言われた後の岸谷五朗の、「こいつには何を言っても駄目だ…。」という演技が非常に印象的だった。ラストシーンの清丸の台詞を聞いて、やはり殺しておけばよかったんだ、という人がどれだけいるだろう?中盤、包丁で少女を脅す男を説得する関谷は、少女の命の危険を察して男を射殺してしまう。果たしてこの判断が良いのか悪いのかは、分からない。この一連の騒動の発端は人間が始めたのだ。良くも悪くも人間のする事。こういう人間の心理の一端を観れる映画としては、エンタメも入っていて単純で小難しくないので十分楽しめる内容だと思います。