<ネタバレ>一匹のハエを従えて、殺人鬼を探す美少女。『ESP』。虫と意思 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>一匹のハエを従えて、殺人鬼を探す美少女。『ESP』。虫と意思疎通が出来、操るとまではいかないが、その設定が素晴らしい。ハエが道案内する様に先を飛び、OPの空き家を見つけ、ジェニファーの元へ戻ってくるこのシーンが大好き。兎に角ジェニファーが演じる『ジェニファー』に尽きる映画だ。当時14歳という、あどけない美しさが画面から溢れんばかりの魅力。一目見て現在のジェニファーの面影を残していて、大女優の片鱗を感じさせる大人びた雰囲気。前半の夢遊病による演出により、やはりどこか一味違う独特の世界観なのかとも思ったが、中盤からにかけての誰が殺人鬼なのか?というサスペンスフルな展開は目が離せずに見事な演出。OPの空き家でジェニファーが丸めた紙を見つけて見上げる構図とアングルはお見事で、カプコンの『バイオハザード』での印象的な数々のアングルの先駆け的であり、まさにお手本にしたと思えるシーンだ。ゴブリンによる音楽は正直、独特過ぎで各シーンにおいて「寿司にカラシ」といったアンバランス感はあるものの、これも良くも悪くも「唯一無二」のアルジェントだと思えば流石かも?照明を浴びた姿、無数に集まったハエの大群に「愛してるわ、みんな。」と微笑む表情、真っ暗な湖面から顔だけ出したシーンに、炎をバックに湖から上がるその姿を収めた構図はまるで絵画の様に美しく神秘的で、ジェニファーは神々しい。ご主人に刃物は危険だと注意されたチンパンジーが、刃物でご主人の仇をとるラストシーンは皮肉でもあるが、伏線の見本の様にお見事である。このチンパンジー君(ちゃん)にはぜひ主"猿"賞を差し上げたい。ぼくのDVDボックス殿堂入り。