<ネタバレ>思いっきりネタばれしてますので、未見の方は読まないほうがよい .. >(続きを読む)
<ネタバレ>思いっきりネタばれしてますので、未見の方は読まないほうがよいです。
スーパーマンが死んだと見せかけて、結局生きていましたと思わせるあのラストシーンは、「そりゃそうなるでしょ」と思いながら見てはいたんですが、それでもずるいです。ただでさえ長い上映時間の最後の10分くらいは、あの悲壮感があってこそのシーンの連続であって、それらが全て無意味になるなんて、おかしいでしょ。ここだけで-2点。
スーパーマンの葬式。「S」のマークのついた棺の上で、折りたたまれる星条旗のシーンは、世界の警察・リーダーを自認できなくなったアメリカの死を象徴するものと理解して、ついにここまで病んでしまったのかという思いを強くしました。まるで敗戦国の心理です。スーパーヒーロー、特にスーパーマンが死ぬという設定はタブーに属すると思いますが、それでもそういうストーリーで貫いてくれたのであれば、そこには製作者の「善意の神などいない」という意図を強烈に感じとることは出来たので、あのラストシーンは無いほうが私のこの映画の評価は高くなります。
かといって、アメコミタイトルでこんなストーリーでよいのかどうかは別です。1970年代のスーパーマンを観た子供たちはハリウッド映画に夢中になりました。今の子供たちがこの映画を見て喜べる(or楽しめる)だろうか?昨今、大人の鑑賞に堪えうるアメコミもの、というのが追求されてきて私も確かにそれを楽しんできましたが、本作ではついに、大人の観客しか相手にしないアメコミものになってしまった感があります。そろそろこの分野を子供に返すべき時がきたと思います。