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<ネタバレ>メキシコ国境地帯で凶悪な麻薬組織と日夜命がけの攻防を続けているFBIやCIAの姿を描いた社会派アクション。監督は重厚でリアルなサスペンス描写に定評のあるドゥニ・ヴィルヌーヴ、男勝りの主人公を演じたのはエミリー・ブラント、そして一癖も二癖もありそうなベテラン捜査員を演じたのはベニチオ・デル・トロとジョシュ・ブローリンという二大個性派俳優。とにかく全編に漲るこのただ事じゃない緊張感には素直に圧倒されました。冒頭の敵のアジト襲撃シーンに始まり、アメリカ・メキシコ国境で突発的に起きるリアルな暴力描写、捕まえた組織の人間を容赦なく拷問にかけるような先輩捜査官に必死に抵抗する主人公の葛藤、どれも満足のいく見事な出来栄えだったと思います。特に野獣のような狂気性を内に秘めたベニチオ・デル・トロの他を圧倒する存在感は凄かったです。ただちょっと残念だったのは、クライマックス。このデル・トロ演じる〝暗殺者〟が組織のボスを殺すためにアジトに忍び込むのですが、その過程がけっこう簡単に行きすぎるのがいまいちリアルさに欠けるかなと。ボスのアジトなんだから、さすがにもっと厳重な警備がされていると思うのですが。とはいえ、なかなか見応えのある作品でございました。7点!