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<ネタバレ>民主党の次期大統領選の最有力候補(フロントランナー)と目されていたゲイリー・ハート上院議員。彼が突然持ち上がった自身の女性スキャンダルによってどんどんと自滅していくさまを実話を基にして描いた政治ドラマ。監督は丁寧な心理描写には定評のあるジェイソン・ライトマン。ちょっとした心の緩みによって瞬く間に落ちてゆく中堅政治家を演じるのは、まさに嵌まり役とも言うべきヒュー・ジャックマン。このゲイリー・ハートという一政治家に過度に肩入れするわけでもなく、かといって終始批判的な目線で描くわけでもない、あくまで客観的なこの作品のスタンスには好感が持てました。英雄色を好むと言われたのはもはや過去の話、小さな女性スキャンダルが政治家にとって命取りとなる今の時代を読み違えてしまったこの人の自業自得の自滅劇はなかなか面白かったです。彼の浮気相手とされた女性と長年連れ添った妻とのそれぞれのドラマも見応え充分。特に浮気相手のケア役として親身になって相談に乗っていたと思われていた女性選挙スタッフが役目を終えた途端、飢えたマスコミの群れへと彼女を放り出すシーンは見ていてとても切なかったですね。「今はまだ離婚しない。でも、いつかは…。それまで自分がしたことの重荷に苦しめばいい」と怒りを抑えながら静かに言い放つ奥さん、とっっっっっても怖かったです。うん、皆さんも下半身のことにはなるだけ気を付けましょう(笑)。